第36話 「お遍路って もしかしたら幸せの種拾い?」
お写経遍路へ 出かけますと いろんなものを見つけたり 出会ったりいたします。
お写経遍路をさせて頂いて ふと気が付いた事なのですが、お写経へ出かける時は よく、「今日は寒いなア~」とか 「まだ眠いなア~週末で疲れてるし~~。」とか 「お寺の坂道が急だし~~。」とか 「仕事疲れが残っててしんどいなア~」とか 「今日はゆっくりしていたいなア~」などなど 心の中で ついつい文句を唱えて しまいます。
でも いざ お写経遍路に 出発してしまいますと今度は 静かな遍路道で一人「きれいなお花が咲いてる~^^」とか 「朝の空気が すがすがしいですう~^^」とか 「体が温まってきたぞ~いいよお~^^」とか 「良い鳴き声の鳥だなア~^^」とか 「今日の空の色は きれいだなア~^^」とか 「オレンジ色の柿の実がたくさんだあ~^^」とか 家を出る前と逆に、ついつい楽しさ探しを始めてしまいます。
お寺に着く片道だけでも 幸せ事や楽しい 幸せを感じる事を 沢山 見たり感じたりする事になります。
そのたびに 写真が好きなものですから、よく写真も撮影してしまいます。なので なかなかお寺に到着いたしません。うっかりしていますと お寺に着く前に カメラの充電していた電池が 無くなっちゃって 肝心のお寺での撮影が出来なかった時もあります。
でも 毎回同じ道を通っていましても それだけ「嬉しさや喜び 幸せに感じる事が この遍路道には あるんだなあ~」と ふと 気づかされました。
自然豊かなお遍路道には 自然界からの恩恵が 満ち溢れているように 感じます。
お遍路さんって もしかしたら 歩きながら 自然界からの贈り物の 小さな幸せの種を いつの間にか 一つ また一つと 拾い集めてながら歩いている方々なのかもしれません。💖
第35話 83番・一宮寺さんにお写経遍路②(お写経とお接待)
🔶お話は昨日のお話(第34話)の続きになります。( ^ω^)・・・
お寺(四国霊場83番・一宮寺さん)の境内の 美しい紅葉に見とれてしまいましたが、お写経をさせていただきに来ましたので、さっそくお寺の大師堂(だいしどう)へと 向かいました。
大師堂の入り口には、お写経の看板が 立っております。
写経体験~お大師様の御前で~。という看板の文字に 「うわあ~大師堂の中で やるんだあ~💖。」と なんだかワクワクしてしまいます。
お代金は 500円です。「庶民価格で ありがとうございます~^^。」
「おはようございます、お写経させていただけますか~💖」と 声を掛けますと おばあちゃんが出てきまして 「どうぞどうぞ^^~。」と、案内してくれ、靴を脱いで そしてそろえて畳の上に そーっとあがらせていただきます。
初めて 大師堂の中に 入れさせていただいて 感動です。部屋の正面奥には、ちゃんとお大師様の像が 祭られております。「うわあ~~っ💖」(←感動中です^^。)
おばあちゃんに、「お好きな席で どうぞ^^~。」と言われまして、控えめに 一番後ろの窓際の席に 失礼いたしました。
目の前には、大きく「写経道場」の文字がドーンと書かれておりまして、、、気持ちが引き締められます。
このお寺では、机の席で 筆ペンで書く習いとなっておりますので、用意してくれている筆ペンで さっそく姿勢を正しまして お写経をさせていただきました。
大師堂の畳の部屋は 木のぬくもりがすごく感じられて どこか懐かしいような どこか昔の頃のようで なんだか気持ちが暖かくなるような とてもリラックスできる部屋です。緊張もすぐ溶けまして とっても自然体で いられます。
こちらのお写経も 「般若心経」で、書かれたお経の上に 透けるような薄い用紙を重ねて 文字をなぞっていきます。
落ち着いた 静かな部屋の中は 窓際とはいえ 部屋の中は、暗いので、机の電気の明かりをつけて書いていきます。周りが暗く、「般若心経」の文字だけが スポットライトで照らされて目に入り 集中しやすいです。そのため お遍路さんたちが 大師堂に お参りに来られますが、周りがあまり気になりません。すごくいい雰囲気です。お写経文字に 集中して 書いていきました。
途中 休憩をさせていただきながら 一文字一文字 丁寧に書いていきました。
ふと休憩の時に感じたのですが、歩く姿勢が 自分でもはっきりわかるくらいに 背筋がまっすぐに歩いていました。普段猫背になりがちなのですが 自然に真っすぐ背筋を伸ばして歩けますと すごく楽で 気持ちいいんですね^^。
ようやく書き終わりました。すると、おばあちゃんが お茶を入れてくださいましたよ。
書いたお写経用紙を お大師様の前に持っていき 手を合わせまして そ~っと奉納いたしました。
そしてしばらくして またおばあちゃんがやって来て、「ちょっとやけど お接待(せったい)です。住職には 内緒やで^^」と、ちょっとだけ ふかしたお芋を持ってきてくれました。
住職にはないしょやでえ~^^。
四国遍路の文化には 土地の人がお遍路さんに お接待をする風習があります。同行二人でお遍路されていますので お大師様(空海さん)も お遍路さんと一緒におられることから 四国の人々は お遍路さんを大切に思い、お接待文化を ず~っと守り続けております。
もし お遍路さんをされていて もしお接待を受けた時は 必ずいただいて下さいね。お大師さんも一緒なので お断りしないでね。昔から そういう習いなので お願い いたしますね^^。
お茶を飲みながら 忙しそうなおばあちゃんと ちょっとだけ雑談して 一宮寺を後に致しました。
おばあちゃん 良くしてくれてありがとうございました。
※四国霊場83番 一宮寺さんの写経体験⇒http://www.sanuki-ichinomiyaji.or.jp/event/
第34話 83番・一宮寺さんにお写経遍路①(早朝うどんと紅葉)
この日は、平日でしたが お仕事お休み頂いておりました^^。なので、早朝からトイレ🚾のお掃除をして まだ眠そうな犬のコロちゃん🐕をおこして 散歩に連れて行き そして自転車こいで かねてから一度行ってみたかったお写経が出来るお寺の 四国霊場83番 一宮寺(いちのみやじ)さんへ お写経に向かいます。こちらのお寺でも 好きな時にお写経させていただけるんですよ。
外は寒く まだ薄暗いです。まだ静かなうちに、川沿いの道を 進んで行きます。
このお寺へは 平坦な道が ずーっと続きます。
「寒いですう~、よいしょよいしょ、、🚴よいしょよいしょ、、暑いですう~💦」
でも信号で止まったり致しますと「やっぱり寒いですう~^^」どっちゃね~ん!!
※(お休みの日は やたら元気なんですよ^^。)
お寺の近くに着く頃には おなかも減って、とりあえず うどん屋さんを 探します。まだ朝の7時過ぎですが、香川県は うどん県とも言われていて 讃岐人は「早朝うどん」を よく食べます。早朝からお店を開けているうどん屋さんもあり、お寺の近くだし「きっとあるはず~」と 探しながら進んでおりますと ありましたあ~。ちゃんとお寺の近くの道沿いに 開いてるうどんやさんがありましたよ^^。
お店のおばちゃんに、「おばちゃあ~ん、かけの中(ちゅう)!!」と言って メニューを注文しますと かけうどんの うどん玉が二玉入ったうどんが出てきます。その上に、ちくわの天ぷらを 一つ取って 乗っけて食べました。あったか~くて わあ~っ旨いっす、温まるっす!生き返るっす!!😊これも お写経巡りの楽しみです^^。
※讃岐うどん店では たいていの場合、サイズが 大 中 小 と3パターンありまして 大はうどん玉が3玉、中は2玉、小は1玉 サイズです。あっ、確か特大(4玉)もありますね。だいたい 讃岐人の注文の仕方は こんな感じなんですよ^^。
お寺の入り口を探しながら進みます。そして、門を見つけましたら 塀の向こうの紅葉が チラチラ目を引きます。
門をくぐると「うわあ~~っ きれいいい~~感動💗。」
奥へとゆ~~っくりと 足を進めます。
「うわあ~~っ、紅葉~~。」
きれいで 鮮やかな境内のお庭の紅葉に、、、しばらく いや、かなりの間 見とれてしまいました。だって この時期だけですも~ん。
手を清める水場にも 紅葉がきれいに 見えます。
手を清めましたら お寺の鐘を突きます。本堂をお参りいたしまして 大師堂(だいしどう)の中でするお写経へと向かいます。
明日に続きます。明日は、②(お写経編)です。(●^o^●)・・・お楽しみに。
※四国霊場83番 一宮寺さんの写経体験⇒http://www.sanuki-ichinomiyaji.or.jp/event/
第33話 「🔶お写経後のお片づけ」
🔷お話は、(第32話)の昨日の続きになります。
ようやく山のお寺(八栗寺)に着き いつものように 手を清め 体も落ち着かせてから、鐘をついて 本堂にお参りさせていただきます。朝早くから お線香の良い香りが 漂っています。
登りの遍路道を 歩いて登ってきたにもかかわらず、この日は元気で、本堂のさらに上に登る階段を 歩いて「中将坊(ちゅうじょうぼう)」様まで 登ってみることに致しました。
いつもなら しんどいので登らないのですが、この日は 違っていました。
しんどい日もあれば、やたら元気な日もあります。
急な階段です。一歩づつ 一歩づつ手すりを持って ゆっくり登って行きますと、
頂上の「中将坊(ちゅうじょうぼう)」様の所まで 来ました。
「中将坊」様というのは 「天狗👺」様です。ここには 天狗様がお祭りされておりますよ。
遥か昔から 天狗様がこちらにおられて 夜になりますと 人々の住んでいる所までやってきて 人々を守ってくれているそうです。なので、天狗様の大きな下駄がそばに 置かれているのですが、時折 その下駄が 土で汚れていたりするそうですよ。
そして この日もお写経部屋で 「般若心経」を書き上げる事が出来ました。ありがとうございました。
体調が しんどい時には 無理せず途中まで書いて終え 家に持ち帰ります。そして、続きは 次回の時にそれを持って来て、書いたり致します。
(🔶お写経後の簡単な片付け)
無事終わりましたので 筆や硯を片付けます。
まず写経筆を きれいにします。半紙かティッシュに 水を含ませ 筆先についている墨を 筆先を傷めないように 筆先を整えながら やさしく取り除いていきます。
写経筆は 細筆で筆先が命ですから、全部洗わず筆先だけ 何回も何回も 丁寧に 墨を落とします。
筆が終わりましたら次に 硯(すずり)の中の残った墨を半紙で吸い取り、硯の中にお水を少し足して また別のきれいな半紙で 墨を取り除いていきます。3~4回位 繰り返して きれいにしていきます。
写経筆や 写経硯は小さいので 比較的早く 片付けることが出来ます。
でも、だんだん硯の汚れが溜って来ましたら 月に1回くらい家の水道水で 水を流しながら 歯ブラシでこすって 丹念にお掃除します。
お写経部屋を出る時は、開けていた障子の戸を 忘れずに閉めて帰ります。
時折 ふと、忘れてしまいそうになります~^^。気を付けまあ~す。
第32話 「すがすがしい朝の遍路道」
この日は 日曜日です。朝早くから起きまして 家のお掃除を済ませたら早速 山のお寺へお写経に向かいました。
休日の朝は、車の通りも少なく とっても静かです。
住宅街を抜けて 山沿いの遍路道に入り、しばらく行きましたら高台の丘まで来ました。眺めましたら、今から行くお寺の山は 曇っていて 朝の霞がうっすらと覆っていました。
しばらく行きますと 東の方から 雲を通り抜けた柔らかな朝日の光が ほんのかすかに ススキの穂を照らし うっすらと輝きまました。
遍路道の朝は 通りゆく風や 土の色 艶やかな草の緑 そして紅葉の色 どこを見ましても とってもすがすがしい気持ちに させてくれます。
お寺のある山のふもとまで来る頃には 朝の強い日差しも 見え始めました。
でも、ゆっくりと山を登って行きますと だんだん深い木々に 覆われ始め 少しだけ暗くなってまいります。
上り坂が続きます。下をうつむいて上ります。
ちょっと一休み 又一休み ぼちぼちと急な坂を登って行きます。
途中お遍路さんのために 休憩してもらうための石で出来た椅子が 用意してくれています。そこに「よっこいしょ!。」と 腰かけさせていただきます。助かります。ありがたいです。
こうして休んでおりますと 静寂の中で 山の香りや 新鮮な空気に包まれて とても気分がよく感じてまいります。
目や耳 鼻 口 手や足 肩の力を抜いて体も 頭も とってもよく休まります。
汗もひいて、よく休憩できましたら、また登って行きます。
そして太陽の光が見え始めましたら、そしたら お寺までは もうすぐです。あと少し頑張ります。
ようやくお寺の山門をくぐりましたら 紅葉に飾られましたお寺の境内が 広がりました。
とっても すがすがしい気分にさせていただきました。ありがとうございました。
第31話 初めてのお遍路旅(四国霊場88ヶ所巡り)
僕が初めて 四国遍路のお遍路さんになったのは、小学校3年生の時(今から40年以上も前)です。
僕の姉がなくなりました。僕の両親は もう悲しんでばかりの日々で みんなとてもつらくって 親しい親類が 心配して泊まり込んで 励ましてくれていました。家庭が もうすっかり暗くなってしまいました。
それがきっかけで うちの家族は 姉のお位牌(いはい)をもって 四国88か所巡りの旅に出ることになりました。
父も働き 僕も小学校へ通いながらですので 主に土曜日から日曜日・祝日を使って 少しづつ 少しづつ巡る お遍路旅をいたしました。
姉のお位牌と一緒にお遍路旅をすることで 姉の供養にもなり 姉もまだ家族と一緒に いるような気持ちになれました。
「お寺に着いたよ。」とお寺に着くたびに 母は 姉のお位牌に声を掛けていました。僕も 姿は見えないけど 姉と一緒にいるような気持ちで なぜか家にいる時のような悲しみを あまり感じませんでした。姉も一緒に車に乗って旅をしている そんな気がしていたからです。
この時のお遍路旅は 今から40年以上も昔の時代で、無理して買った中古の自家用車で行ったのですが、とてもポンコツの車で 突然動かなくなったり、突然クラクションが鳴りっぱなしになったり、ヘッドライトが突然消えて 助手席に乗った僕が手持ちの懐中電灯を持って 前方を照らしながら 夜の山道を照らしながら走ったり、また当時の遍路道は 泥道も多くって 山道でよく水たまりのぬかるみにタイヤが入って出られなくなってしまって みんなで 夢中になって車を押したりする事は しょっちゅうでした。みんな顔を泥だらけにして おかしくなって 笑ったりもしました。
また 簡単な地図しかなかったので お寺のいく先行く先で道に迷い 土地の人に教えてもらいながらお参りいたしました。
今思いますと、そんな数々の お遍路旅のトラブルが みんなの心から悲しみを 徐々に忘れさせてくれていたのかもしれません。
家族での旅ですので 小学生の頃の僕は 行く先行く先の見知らぬ土地の見る風景や 家族と一緒に雑談出来る事が楽しくて 週末のお遍路旅が とても楽しみに感じていました。
でもやっぱり、時折 悲しみも襲ってきます。特に 父の言動には 参りました、突然思いつめたように、父が「皆で 姉ちゃんの所に行くか?」と 言い出したりします。すると 母は黙って 目に涙しています。そのたびに僕が、「パパ おしっこ! おしっこ~っ!!!。」と言って 車を無理やり止めさせて おしっこをするふりをして 家族の気分を変えようと努めていたのを 覚えております。小学生ながら 頑張っていたんですね。
僕の初めての遍路旅は こんな風な具合でした。
そんな事もございましてか、お遍路旅に親しみを感じたり 時にふと思い出したりして感謝したり また今でも心の支えになっていたりして 大切に感じております。
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第30話 お寺に入ったら 「お写経前にする事💛」
お寺の山門をくぐって お寺の境内に入りましたら 手水屋で手や顔や口を 洗い清めます。その際に、お写経の墨を作るための水を少し あらかじめ頂いておきます。そして お寺の社務所で 「いつもお世話になります、今日もお写経させてください^^。」と声をかけて お写経部屋へと入っていきます。
💛蛍光灯を付けて お写経部屋に入りましたら まずやる事は、
- 部屋の障子の窓を開けまして 山のきれいな空気と光を 部屋の中に入れてあげます。
- 次に お写経部屋の前にお祭りされています仏様のローソクとお線香に火をつけます。そして 「今日もお写経させていただきます。よろしくお願いいたします。」と 心の中で唱えます。
- それから 席についてさっき用意した水を硯(すずり)に入れまして 墨を作り、墨が出来ましたら まず背筋を伸ばし姿勢を正します。そして目を閉じて手を合わせ おおきく息を吸って ゆ~~っくり吐いて 数回繰り返し呼吸を整えます。そして気持ちを乗せて ゆっくりとお写経を 書き始めていきます。
これが簡単で 今の自分の 基本的なスタイルです。ご参考になれば幸いです。
※お寺では 筆ペンもご用意してくれておりますよ。
お写経を書いておりますと 山鳥の声や 参拝者の突く鐘の音、行者さんが吹くほら貝の音色 普段の生活の中では 見たり聞いたりしない様な音色が 静かな静寂の中、そ~~っと優し~~く 遠おくから そ~っと聞こえてまいります。
静か~な時間が ゆ~っくり ゆ~~っくりと ・・・ 流れていきます。
そんな静かな時の流れが 日頃の仕事での体の疲れや 心の疲れを ゆっくりと整えてくれていくようで お写経中にも そのようなわずかな感覚が 感じ取れます。
そうした時間の中、ゆっくり ていねいにお写経を書き上げる頃には 書いている文字も 書き始めた時の文字より とても生き生きした文字のように見えます。
💛この文字の変化は 「自分自身が 来た時よりも元気になったんだなア~。」と そう感じさせてくれて うれしくなります。本当に うれしくなるんですよ^^。「ありがたいなあ~~^^」と 素直にそう思います。💖
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